永井成美

(兵庫県立大学環境人間学部教授)
 

 
「野菜サラダ」などから食べ始める、いわゆる「野菜先食べ」が流行っています。食後の血糖値の急な上昇やインスリンの分泌を抑え、糖尿病や肥満の予防に有効であるという研究結果がテレビなどで紹介されました。確かに、ごはんや麺類など主食をたくさん食べる人、早食いの人、血糖値やヘモグロビンA1cが高めの人、糖尿病の人、体重を減らしたい人には良さそうです。ただ、健康でやせる必要のない人や子どもにまで、「野菜から食べ始めましょう!」はちょっと行きすぎかもしれません。
 研究では、野菜を全部食べてごはん、ごはんを全部食べて野菜、のような食べ方をさせることが多いのですが、実生活では「ごはん、汁物、おかず」を同時に食べ始めますね。健康なら、それほど神経質になる必要はなさそうです。野菜以外にも「魚や肉(タンパク質が多いおかず)」「食物繊維の多い食品」「牛乳や乳製品」を用いた研究があり、良好な結果が報告されています。よく噛んでゆっくり食べれば、血糖値の上昇も緩やかです。食べ順だけでなく、食べ方を変える方法もありますね。
 いわゆる和食は(懐石料理は別として)、西洋料理のように前菜に始まってスープ、メインディッシュからデザートまで順番にお皿が出てくるという「直列」の食べ方ではありません。一般に、主食(ごはん)、汁物、主のおかず(肉・魚)や副えのおかず(野菜の小鉢や煮物など)がテーブルの上に並んで、器を行ったり来たりしながら食べる「並列」の食べ方です。並列食べでは、ごはんの淡泊な味と汁物やおかずの味が口の中で混じり合い、1品だけでは味わえない複雑な味を、口内で創り出して楽しむことができます。野菜料理1品だけを先に食べてしまうことは、和食の知恵を無視しているようにも思えます。主食・主菜・副菜の揃った和食を、よく噛んで味わい、食後の血糖値が気になる人は主食(ごはん)のスタートを少し遅らせれば良いのではないでしょうか。食事には、健康を作り、文化を伝えるという役割があります。上手にバランスを取っていきたいものです。

 さて、このコラムも今回で最終回となりました。皆様の健康で幸せな生活のために1つでもお役立て頂けたならこんなに嬉しいことはありません。お読みくださりありがとうございました。
 
 
2018年4月号より




 
 暦の上では春なのに、まだ寒い日が続いています。外気温が低いと屋内にいる時間が増え、不活発な生活になりがちです。でもなぜか、食べる量は減らないなぁ、と思っている方いらっしゃいませんか? そこで今回は、「か食」をキーワードに、食べ過ぎてしまうそのワケを一緒に考えたいと思います。
 まず「か食」の「か」に入る文字ですが、皆さんはどんな文字を思い浮かべますか? 「よくある『過』だけでなく、私たちの体を太らせる『か食』を自由な発想で考えてみてください。理由も記すこと」という課題を栄養を学ぶ1年生に出したことがあります。すると…

お菓子を食べ過ぎる「菓食」
スパイス(香辛料)で食欲が亢進する「香食」
高度に加工された美味しい食品を食べ過ぎる「加食」
化学調味料が多く使われた食事を食べ過ぎる「化食」
とりあえず何か食べ、それをなかったことにする「仮食」
いつでもどこでも食べ物が手に入るので食べてしまう「可食」
サプリメントを飲んでいるからと安心して食べ過ぎる「顆食」
カップに入った食品を、手軽だからと食べ過ぎる「カ食」
イライラした時に食べ過ぎる「苛食」
ヒマでついつい食べものに手が伸びる「暇食」

…となんと、10種類ものニューフェイスの「か食」が出てきました。
 なかでも、寒い季節に用心しないといけないのは「暇食」でしょうか。ヒマがヒマンを呼ぶこと、逆に、体を動かすと食欲を抑えるGLP1などのホルモンが分泌され、食べ過ぎを防ぐことは多くの研究で支持されています。
 もし、冬の間に体重が増えてしまったという方は、ご自分の「か食」が①~⑩のどのタイプなのかを振り返ることで、解決策が見えてくるかもしれません。
 ところで、学生達は、なぜこのようにたくさんの漢字(解答)を思い着くことができたのでしょうか? 「えへへ」と笑いながら見せてくれたのは「スマホ」。「か」と読める漢字を検索していたのでした。ちょっとがっかりしつつも、さすがにアタマは柔らかいな~、と感心しました。体重を増やす原因になっている「か食」を上手にコントロールして、春を迎えたいですね。
 
 
2018年3月号より



 
 2月。まだまだ寒い季節ですが、バレンタイン商戦が熱を帯びてきました。そこで、今月はスイーツを例に、食欲のコントロール法をご紹介したいと思います。
 
 私たちは、自分の食べたいものは自分で選んで食べていると思っています。実際には、食べる前に脳にインプットされる情報(先行刺激)があり、食べるという行動が起こっているのですが、この刺激の部分を意識して弱めたり強めたりすることで、より健康的な食べ方に変えることができます。このテクニックは「刺激統制法」と呼ばれています。
 
 たとえば、スイーツの食べ過ぎを防ぎたい時は…
・買い置きしない
・見える所に置かない(隠す)
・お店の前を通らない
・お菓子売り場を通らず買い物を済ませる
・コンビニのレジ横は見ない
・テレビを見る時間を減らす(CMや番組からの刺激を減らす)
・ネットのお取り寄せの閲覧をしない/定期購入をストップ
・お土産はスイーツ以外のものをと、周囲にアピール
・友人との話題ではスイーツ以外のことを話す
などの方法が考えられます。
 
ところで、ヘルシーな食べ方のために、刺激統制法を逆に用いる場合もあります。
例えば、野菜を今よりたくさん食べたい時には、冷蔵庫やキッチンにすぐ食べられる状態のものを常備すると、自然と手が出やすくなります。
 例:洗ったプチトマト
   野菜のサワー漬け/浅漬け
   野菜ジュース/スムージー
   野菜チップス/野菜クッキー
   粉末の野菜ポタージュスープ
   野菜たっぷりみそ汁(インスタント)
などでしょうか。
 
 環境から変えていくことで、ストレスを感じずに自然と食べる量を調節していけるかもしれませんね。
 
 
2018年2月掲載

食べものの体温

 

 
 1月20日は大寒(だいかん)。まだまだ冬の寒さが続きそうです。そこで、今回も食べものと体温の話題をお送りします。
 早速ですが、上の、白・黄・青の3色のポタージュスープ、どれが一番温かそうに見えますか?
 これらは味付けも材料も温度(65℃)も一緒・・ですが、不思議なことに飲んだあとに足先がぽかぽかするのは黄色なのです。白はニュートラル。そして青色は食後僅かに上がりそのあと下がっていきます(上の図は12名の女子大学生のデータ)。
 食べものだけでなく、食器や照明の色も温感を変化させることが知られています。一般に赤・黄・橙などの暖色は温かい、青・緑などの寒色は冷たいという感覚を誘導します。珈琲を飲むカップの色は、赤・黄・緑・青の順で珈琲が温かいと感じられたという研究がありますし、黄色やオレンジ系の照明は料理を温かく感じさせます。
 色が私たちの温度感覚に影響するのは、好きな色かどうか(霊長類の主食は果実だったので、緑の中の黄・赤・橙を見つけやすいよう視覚が進化したという説がある)、脳への作用(赤色画用紙を10分間見続けると皮膚温が上がり、青色では下がる)などの様々な原因が考えられますが、温かライフのために役立ちそうな情報です。
 ところで、正月休みに体重が増えてしまった人には、赤色の食器がお勧めです。白い皿よりも、赤い皿の上のポップコーン、チョコレート、プレッツェルのほうが食べる量が減ったという研究報告があるのですが、理由として、赤色が「危険・禁止・回避」などをイメージさせやすいためではと考えられています。
 食べものや食器の色は、体温や食事量などに無意識下で影響しているようです。冬に食物で温まりたいとき、食べ過ぎを防ぎたい時などに上手に色を活用したいですね。
 
【引用論文】Suzuki M, Moritani T, Nagai Nほか.  Appetite 2017
  
 
2018年1月号より

寒い朝に… 「温朝食」のすすめ

 

 
 冬の朝の通勤、手足が冷えて辛い、という方いませんか?
 そんなアナタに朗報です。実は、朝食べると1時間ほど、体温を上げてくれる食べものがあるのです。
 グラフは、女子大生20名の朝食後の体温のデータです。(  )の中は同じ食べものなんですが…気になりますね。65℃というのは、温かいお茶やコーヒー、みそ汁などの飲み頃と言われる温度ですが、この実験では、カップ1杯のポタージュスープを飲んでもらいました。
 鼓膜温(コア体温)が温スープで上がることは当然予想できました。でも思わぬ発見がありました。それは、高感度サーモセンサーで測定した足の指先温が約2℃も上がり、30分ほど持続したことです。温スープでコア体温が上がると心拍数も上がり末梢への血流量が増え、そして四肢での活発な熱放散反応が起こったと考えられます。
 女性の約半数、最近では男性の一部にも、四肢などに冷えを自覚する人がいると言われています。寒い朝、出勤前に温かいスープを1杯飲んでおくと、通勤中の冷え感が和らぐかもしれません。なお、今回はポタージュスープを用いましたが、ホットミルクやホットココアのような、少し粘り気がありゆっくり胃から出ていくタイプの温かい飲みものも良さそうです。朝のお出かけ前の1杯で、元気に1日をスタートさせませんか。
 
【引用論文】高木,永井ら,温スープ摂取後の主観的温度感覚および深部・末梢体温の変化,栄養学雑誌,2013
  
 
2017年12月号より

「きれい」肌づくり

 
 人の外見で「若く美しく見える要素」のひとつが肌の張り、美しさだと言われています。正しい洗顔と保湿スキンケアに加えて、肌を健康的に保つための食事にも関心を持ちましょう。
 美しく健康な肌は、皮膚の一番外側、100分の1ミリほどのごくごく薄い角層のバリア機能で決まります。角層の細胞の面積が大きく、隙間なく並んでいる人ほど、皮膚から失われる水の量が少ない、つまり保湿機能が高いのです。この角層は、表皮の底で分裂した細胞が、成熟しながら4~6週間かけてゆっくりと皮膚の表層へ移動して出来たものなので、今のあなたの肌には、過去1か月の栄養状態や生活、メンタルなどが良かったかどうかが現れています。女子大生を対象とした研究では、低体温、エネルギー代謝や自律神経の活動度が低い人ほど角層細胞の面積が小さめでした。代謝が活発なら、肌のモトになる細胞がスクスク育っていくはず。そうそう、代謝を上げるためには運動も大事ですね。
 では、肌に良い食事とはどのようなものでしょう? 少し前に紹介した手ばかり法、思い出してください。まずは、たんぱく質。魚、肉、卵、豆腐(大豆製品)、そして牛乳・乳製品。朝食抜きや簡単に食事を済ませる生活では不足しがちですが、肌や髪、爪の材料になる大切な栄養分、多様な食品から摂ることが大事です。先の女子大生の場合、あぶらの多い食事は肌にマイナス、炭水化物や野菜(なかでもカラフルな野菜)はプラスに働きました。炭水化物源の米や小麦には植物性のセラミドが含まれています。セラミドは、皮膚表面の細胞の凝集力を高めて表皮バリアを強くします。体重を気にして、炭水化物抜きダイエットをしている人はいませんか?穀類は食物繊維の給源です。ほどほどに食べるほうが肌にも良さそうですね。
 研究成果をもうひとつ。「毎日楽しい気分で過ごしている」にYESと答えた人は、NOと答えた人より20%も肌表面の細胞の水分量が多かった。ちなみに、細胞の再生には睡眠時に出る成長ホルモンも関わっています。
 まとめましょう。
 (1) 量・質ともに良好な食事
 (2) 代謝を活発にするための運動
 (3) 肌の再生のための睡眠
 (4) 楽しい気分で過ごす
 全て体に良いことばかり。結果は1か月後のお肌に現れるはず……
 ぜひお試しください。
 
【引用論文】永井,森谷ら, 若年女性の肌状態と栄養摂取,代謝,自律神経活動の関連.日本栄養・食糧学会誌,2010
  
 
2017年11月号より

ランチボックスヘルシーダイエット

 

 
 気候の良い10月。お弁当を持って自然が綺麗な場所に出かけたくなりますね。
 お弁当箱は、限られた空間にいろいろな素材や味をコンパクトに詰めることができ、Bentoの名で海外でも人気が出ているそうです。
 そんな中、クラウドファンディングで「入れるだけで自然と栄養バランスが取れ、見た目もスリムでおしゃれな弁当箱(Fittbo)」が開発・発売され、お値段は5000円くらいと少し高めですが注目されています。6つに仕切られた面積どおりに、穀類、野菜、たんぱく質のおかず、ナッツ類やフルーツなどを詰めるだけで自然とバランスが取れるという優れものです。…が、1つだけ弱点があります。それは弁当箱のサイズが考慮されていないことです。小柄な方やあまり運動していない方には少しサイズが大きいかもしれません。
 実は、日本発祥の「3・1・2お弁当箱法」を使えば、もっとお安く簡単に栄養のバランスのとれた1食を整えられることをご存知でしょうか? 足立巳幸先生(女子栄養大学名誉教授)は、たくさんのお弁当箱に入ったメニューを調査し、「弁当箱の容積と中身の食事のエネルギーがだいたい同じ」ということに気づきました。つまり、弁当箱に水を入れ、600ml入ればそのお弁当箱に入った食事のエネルギーは600kcalくらいになります。自分に必要な1食分のエネルギー量に合った弁当箱を用意するといいですね。でも揚げ物ばかりを入れては、エラーが出てしまいます。詰め方は、図のように、お弁当箱の半分の面積にごはんを、残りのスペースを3等分し、2つ分に野菜やフルーツを、1つ分にたんぱく質のおかず(肉・魚・卵などのおかず)を入れると、栄養のバランスもほぼ整います。お料理が動かないように、しっかりめに詰めましょうね。とても簡単で経済的。ぜひ試してみてください。
 
参考URL
https://cf-net.works/features/fittbo/
http://shokuseitaigaku.com/2014/bentobako
 
 
2017年10月号より

野菜果物、どっちが先?

 

 
 今はやりの「食べる順序」のお話かな、と思われたかもしれませんが、いえいえ、そうではありません。言葉の順序の話です。
 日本人は、この2つを並べて言うときに「野菜と果物」と言い、「果物と野菜」とはあまり言いません。食品成分表や食品事典に出てくるのもこの順序です。一方、欧米ではfruit and vegetablesと言い、vegetables and fruitとはあまり言いません。FAO(国連食糧農業機関)の食品分類やヨーロッパの食品成分表なども果物、野菜の順です。
 言葉は一般に、馴染みのあるもの、重要なものを先に言うことが多いことから推測となりますが、この語順の違いは食べる量の違いにあるのかもしれません。日本では野菜は果物の2倍食べられており(約280g vs 約140g 国の調査データ)、ヨーロッパの国々では果物のほうが野菜よりもたくさん食べられています(約400g vs 約250-280g FAOデータ)。ここにはワインのぶどうは含まれていません。日本の温暖多雨の気候は特に葉物野菜の生育に適しており、野菜の種類や料理も豊富です。一方、ヨーロッパでも緯度の高い地域では、葉物野菜は育ちにくく、日本のものより小ぶりで甘さも控えめな果物が植物性食品の給源の主役になっています。
 日本の野菜や果物は、品種改良によって色や形が美しく、美味しく進化しており、海外での人気が高まっています。しかし日本人の野菜と果物の摂取量は、いまだ政府の定める目標量(野菜は1日350g、果物は200g)に達していないという残念な状況です。がんや心臓病予防と野菜や果物の摂取量が関連していることは、世界中の多くの論文で報告され強力なエビデンスになっています。健康のためにも、実りの秋、美味しい果物や野菜を積極的に食卓に取り入れてみてはいかがでしょう。
 
 
2017年9月号より

真夏

 

 
 8月、暦は立秋。だが昼の暑さは盛りだ。ゴーヤ、胡瓜、トマト、強い日差しに色づく野菜が旬。桃、梨もスイカもみずみずしい。
 野菜と果物は元気だが、寝苦しい季節に私たちの生活リズムは乱れがちだ。朝の食欲もにぶい。にぶいからと朝食を抜けば、朝の胃の動きが弱まり、体内時計は、昼食を「一日の始まり」と認識する。これを繰り返すと習慣化する。胃は筋肉でできているので、使われなければ動きが鈍くなるという見方もある。
 消化器のスイッチは食べ物で入る。夕食後と睡眠中の長い絶食時間が朝の食欲には重要だ。日中の食欲不振で、夏場は夜に食事が偏りがち。夕食の量を意識的に減らし、その分を朝食にまわそう。旬野菜のスープや果物のジュース、少し食欲が出てきたらヨーグルトとシリアル。夜、「明日何を食べようか」と夢見るのもいい。
 
(※文責:編集部)
 
2017年8月号より

 

 
 7月の「走り」は枝豆とりんご。なすにぶどうと鰻は「旬」。ビールに枝豆がおいしい季節だ。仕上げの冷やし中華、そうめんも楽しい。
 そこで注意したいのは、「冷たいもの」のとり過ぎ。冷たい食べ物が急に腸に流れ込まないよう、胃は長い時間をかけてこなし、腸に送り出す。胃の負担は増し、夏の食欲不振へとつながる。夜になれば食欲は沸き、焼き肉やピザ、脂肪の多い食事が待っている。だが脂肪の多い食事は、食道と胃のつなぎ目のはたらき(食道胃接合部機能)を弱める。酔ってそのまま横になれば、食べた物が胃から食道に逆流し、胸やけを引きおこす。「朝のムカムカ」の正体はこれだ。
 食欲のない夏の朝には、ポタージュスープやおじやがおすすめ。温かく、消化のよい朝食で、からだのリズムをリセットしよう。
 
(※文責:編集部)
 
2017年7月号より

朝食」はおいしい!

 

 
 6月。太陽は高く、大気は暖まり、空に溜まった水がいっせいに地上に降りる。トマトやピーマン、枝豆、新ごぼうがおいしい。
 私たちのからだは、自然のリズムにあわせて体を整える仕組みを持っている。そのひとつが体内時計だ。その「主時計」は眼の奥にあって、朝の太陽の「光」で体にスイッチを入れる。もうひとつ大事なのが脳以外にある「抹消時計」。中でも内臓にある時計が重要だ。長い夜の〝絶食状態〟の後の朝食が、ふたたび体を起動してくれる。「光」が主時計にスイッチをいれる時間と、「朝食」が抹消時計にスイッチをいれる時間は、つい最近までは同期していた。今の私たちはどうだろう? 交代勤務、地下街勤務、深夜スマホのつながり誘惑、「体内時計」が混乱する環境で生活することが多くなった。そして「肥満」も増えた。 
 みなさん、6月は鮎解禁。あじもおいしい。少し早起きして、朝食を食べませんか?
 
(※文責:編集部)
 
2017年6月号より

「手ばかり」で考えよう

 

 
 新緑の「立夏」。寒さでたまった体脂肪を、「手ばかり」で減らしませんか?毎日の食事で気にしたいのは、「いろいろなタンパク質(系の食材)」を摂ること。人のタンパク質の材料として必要なアミノ酸は、食材によって含まれる種類が違います。
 (1)牛乳(2)乳製品(3)大豆製品(4)魚(5)卵(6)肉、この6つの食材を1日でそろえましょう。1食2つ、3食で6つ。それから野菜はたっぷり、くだものと、もちろん炭水化物、油脂も大事です。
 そして、食材の量をはかるときに便利なのが「手ばかり」。たとえば左手に「魚」と「豆腐」、右手に「卵」と「肉」をのせてみると、(3)から(6)まで1日に摂りたいタンパク質の量と種類がわかります。これと(1)牛乳1杯、(2)ヨーグルトかチーズを摂れば完璧。初がつおなど、初夏のおいしい食材を「手ばかり」してみてください。
 
(※文責:編集部)
 
2017年5月号より